俯瞰する知 原島博講義録シリーズ
巻1 情報の時代を見わたす
■原島 博
■A5判変型 264頁 定価 本体2600円+税
■2024年4月23日発売
「顔学」をはじめ専門を超えて幅広く活躍してきた情報工学者、原島博の集大成。専門知を超えて「俯瞰する知」を提唱する講義録シリーズ第1巻。情報技術の通史を一望し、情報社会の未来をデザインする方法を探る。落合陽一推薦。
●●●担当編集者より●●●
『感じる・楽しむ・創りだす—感性情報学』
が2004年5月刊行なので、監修者の一人である原島氏と工作舎の縁は今年でちょうど20年になる。編集を担当した十川は「他大学の先生たちを引き込み、構築していく原島さんの手腕はみごとだった」と振り返る。その後の出会いは、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の学長だった坂根厳夫氏へのコンタクトがきっかけだった。東京大学に招かれて連続講義をするからというので聴講に伺うと、そこが大学院情報学環(2000年設立)原島研究室の講義室だったのだ。学生たちの活気に押され2010年秋、坂根厳夫
『メディア・アート創世記』
を刊行した。そして翌年の6月から原島塾が始まり、現在まで続くさなかに
講義録シリーズ全10巻
が始動することとなった。
そんな20年をぼんやりと思いながら、ふと「情報学環」の“学環”って何だろうと、サイトを訪ねてみた。新たな研究組織の名称として、理工学系の原島教授たちが発案した「学環」だったが、迷いもあった。そこで当時の副学長に相談を持ちかけた。副学長は農学生命科学の蚕の研究者で「環」にピンときたらしい。決まりである。環—蚕—繭。
いま、この繭から紡ぐ糸を再び針の目に通しました。しばらく縫い合わせたり編んだりしますので、ときどき気にしていただけると幸いです。巻2は6月の予定です。 (田辺澄江)