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2023年7月27日号
 
 

7月の新刊

栄養こそが最高の医療である

■三島 渉
■四六判 216頁 定価 本体1500円+税
■2023年7月19日発売

肥満、便秘や下痢、皮膚トラブル、頭痛、食欲不振、疲れやすい、眠れない、朝起きられない、イライラしやすい、ぜんそく、とまらない咳、アレルギー、手足の冷え……これらの問題を「栄養」で改善する。健康のために何を食べるか、何を食べないか。慢性的な不調に悩む人をよりよい選択へ導く栄養マネジメント本。

●●●担当編集者より●●●
著者の三島渉さんは、ぜんそくや咳を専門とする呼吸器内科医です。ぜんそくのお医者さんがなぜ「栄養こそが最高の医療である」と考えるようになったのか? その理由は本書に。生活習慣病や慢性的な不調を抱えている方はぜひご一読ください。
大学院で分子細胞生物学を研究した三島さん。栄養に対する考え方の土台になっているのは、アメリカやカナダの生化学者が提唱した分子栄養医学(オーソモレキュラー)です。本書では、分子栄養医学の理論に基づいて食生活をどう変えていけばいいのか説いています。さらに三島さんのクリニックでは、栄養カウンセリングに選択理論心理学を取り入れています。認知行動療法のアプローチを組み合わせることで、患者さんから自発的に栄養改善への意欲を引き出すことに成功しているそうです。毎日の食事は選択の連続です。今日、何を食べ、何を食べないか。よりよい選択をするための指針となる本です。(李 榮恵)

 
 

近刊情報

ソバとシジミチョウ

■宮下 直
■四六判 約260頁 予価 本体2700円+税
■2023年9月25日発売予定

生態学と生物多様性を専攻する南信州出身の著者は、フィールドワークで訪れた伊那郡飯島町で、偶然ミヤマシジミが群をなして飛ぶ姿を目にして驚嘆する。近くには一面白い花を咲かせるソバ畑があった。本書は、日本の里山を舞台に人-自然-生物のあいだで繰り広げられてきた相互依存的な関係がいかにして生じ、どんな問題に見舞われてきたかを分析する。(写真提供:ミヤマシジミ里の会)

 

お知らせ


2023年7月21日(金)、工作舎編集部の十川治江が「ライプニッツ著作集」をテーマに講演

◆日本出版学会 翻訳出版研究部会の「翻訳全集」をテーマにした研究部会の第3回。表舞台に立つことが少ない、裏方としての“編集者”の立場から翻訳全集への取り組みについて語りました。 『ライプニッツ著作集』(第I期全10巻、日本翻訳出版文化賞受賞) は1988年に刊行を開始し1999年に完結、さらに 第II期(全3巻) は2015年から2018年にかけて刊行されました。天才ライプニッツといえども優れた人々との出会いによって成長し、書簡や著作を残したことに始まり、ライプニッツ著作集を思い立った経緯や監修者や翻訳者とのやりとりなど、十川ならではの話でした。

 

kousakusha TOPICS

◆ユリイカ7月号の特集は「奇書の世界」。倉谷滋氏がレオ・レオーニ 『平行植物』 など生物系三大奇書を詳細に語り、高山宏氏は 『キルヒャーの世界図鑑』 に言及してくださっています。 『平行植物』 には巻頭対談の酉島伝法氏も。表4にはこの2冊の広告を出しました。

◆武蔵野美術大学 美術館・図書館の杉浦康平デザインアーカイブ 「デザイン・コスモス」 が2023年6月30日にリニューアルしました。「雑誌」のカテゴリーを新設し、デザイン手法インデックスを増補改訂するなど、見どころ満載です。

◆福井栄一 『本草奇説』 がサライ2023年8月号で紹介されました。
「一篇の長さは見開き程度なので、ちょっとの合間にお手頃に読めます。豆は『古事記』にも登場するのか? 桃太郎に限らず、桃自体が鬼と縁が深いのか? 梅の美しさは死者をも引き留めるのか? 生長が思いのほか早いという特徴が『竹取物語』を生んだのか? などなど、草花の世界にどっぷり浸ってみてはいかがでしょうか。」

◆月刊「俳句界」7月号「魂の俳人 村越化石」特集。 『生きねばや 評伝 村越化石』 の著者、荒波力さんのインタビューも掲載されました。
「…化石は俳句を詠む為に生まれて来たような人だ、という思いを強くしました。ハンセン病で群馬の山奥に隔離されましたが、化石の目は、その自然に向かっていきます。化石の句は、一木一草にも神が宿るという汎神論の色彩を次第に強めていきますが、彼の句を読んで心地良くなる秘密は、ここにあると思います」
また、国立ハンセン病資料館ギャラリーにて、7/23(日)〜8/11(金)の期間「魂の俳人 村越化石展」が開催されています。

【編集後記】
●7月に入り、35度越えの暑さが続いています。宮下直『ソバとシジミチョウ』は、夏真っ盛りでの書店営業になります。暑さに関係なさそうなチョウでも、高温だと死んでしまうのに大丈夫でしょうか。お伺いした書店で、売り場を見たり、書店員さんと会話をしたり、新刊の面白いと思う本を勧めたりするのはとても楽しいのですが、このままでは道半ばで干からびる気がします。サーティワンアイスクリーム(バスキン・ロビンス)に、冷たいシェイクをアイスから作ってくれる商品があるので、それを飲んで体温を下げて、頑張ろうと思っています。(田波)